ビカクシダには他の観葉植物と同様に肥料を与えることで、生長のスピードを上げることができます。
葉の色艶を改善したり、必要な栄養素を十分に与えることで植物全体の活力を高めることができます。
でも肥料って本当に種類がたくさんありますよね。
一体どんな種類の肥料を与えればいいのか?
種類ごとの特徴についてまとめます。
化学肥料・液肥の特徴
液肥はメジャーな肥料です。どこでも手に入り、手軽に使えるので多くのブリーダーが愛用しています。
有名どころだと「ハイポネックス」はスーパーでも手に入り価格も安く使い勝手が良いです。
植物の生育に必要な栄養がバランス良く入っており、園芸初心者でも「とりあえずこれを与えておけばOK」という安心感があります。
使い方は規定量に薄めて、水やりと同じ要領で与えるだけでとても簡単です。
液肥は即効性があるので、効果がすぐに現れやすいという特徴があります。
一方で流れ出ていくのも早いので、定期的な施肥が必要になります。
植物の状態に合わせて濃度を自由に調整できるのも液肥を使うメリットです。
緩効性肥料
緩効性肥料は「置くタイプ」の肥料です。
肥料成分がゆっくりと溶け出し、長期間にわたって植物に栄養を供給するのが特徴。
効果が持続するため、液肥のように頻繁に施肥する必要がありません。
即効性は低いので「今すぐ栄養を吸収させたい」という場合は液肥の方が合っていますが、頻繁に肥料を与えるのがめんどくいという方でも「ずぼら管理」ができるのでおすすめです。
液肥と緩効性肥料は併用できる?
液肥と緩効性肥料は併用できます。
複数の肥料を併用することで、足りない要素を補うことができ、植物がより多くの種類の栄養素を摂取することできます。
ただし肥料は多すぎると「肥料焼け」を起こしてしまい、植物が吸収しきれず根を傷めてしまいます。
・葉の先端や縁が茶色く変色し、枯れていく。
・葉全体が黄色くなったり、白っぽくなったりする。
・葉がしおれて、垂れ下がる。
こういった症状がでたら一度肥料を与えるのをやめるのがベターです。
活力剤もおすすめ
肥料と並行して「活力剤」を与えるのもおすすめです。
活力剤は肥料では補えない、鉄、マンガン、銅などの微量要素や、植物の代謝を促進するアミノ酸などを含んでいることが特徴です。
根っこの発育を促進してくれて、植物を元気にしてくれる効果があります。
特に暑い夏場など植物が肥料を吸収できない時期でも活力剤を使うことでバテを解消できたりします。
肥料と併用することで、必須の栄養素以外にも微量栄養素を補えるので健康な状態をキープできます。
人間に置き換えたら「ビタミンドリンク」みたいなものだとイメージしやすいと思います。
3大栄養素ではないけど、健康を維持するうえで重要で、摂取すると元気がでるみたいなイメージですね。
「窒素・リン酸・カリ」は植物にどう働く?
区分 | 活力剤 | 肥料 |
主な成分 | 微量要素、アミノ酸など | 窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)など |
効果 | 生育促進、病気への抵抗力向上など | 植物の生長に必要な栄養素を補給 |
使用頻度 | 定期的な使用よりも、植物の状態を見て必要に応じて使用する | 定期的に使用する |
窒素(N)の働き
葉緑素の合成を促進し、葉を緑色に保ちます。
タンパク質の合成に不可欠で、細胞の分裂と伸長を促します。
生育を旺盛にし、茎葉を丈夫にする働きがあります。
不足すると葉の色が薄くなり、黄緑色や黄色に変色します。生長が遅れ、茎が細くなります。老葉から枯れていきます。
過剰になると葉が濃緑色になり、徒長しやすくなります。(花がつく植物では、花つきが悪くなったり、実がつきにくくなったりします。)
リン酸(P)の働き
根の発育を促進し、根を強くします。花芽分化を促進し、開花・結実を促します。種子の発芽を促進します。エネルギー代謝に関わり、植物の活力を高めます。
不足すると生長が遅れ、葉の色が暗緑色になります。
古い葉から赤紫色に変色することがあります。(花がつく植物では、花つきが悪くなったり、実が小さくできたりします。)
過剰になると微量要素の吸収を阻害し、他の栄養障害を引き起こすことがあります。
カリウム(K)の働き
糖の合成と移動を促進し、植物全体に養分を送り込みます。根の働きを活発にし、水分や養分の吸収を促進します。
植物体を丈夫にし、病害虫に対する抵抗力を高めます。
高温や乾燥などの環境ストレスに対する抵抗性を高めます。
不足すると葉の縁や先端から枯れていき、葉全体が黄変します。生長が遅れ、茎が弱くなります。根腐れを起こしやすくなります。
過剰になるとカルシウムの吸収を阻害し、生理障害を引き起こすことがあります。