ビカクシダは、そのユニークな姿から、栽培、鑑賞目的、インテリアとしても近年人気が高まっている観葉植物の一つです。
シダ植物の一種で、熱帯アジアやオーストラリアなど、湿度があり暖かい地域の樹木に着生して生息しています。
ビカクシダが他の植物と大きく違う点は、「2種類の葉を持つ」ところ。
「貯水葉」と「胞子葉」です。
貯水葉は株元に張り付くように広がる葉で、水を貯める役割があります。
何層にもなっていて、葉と葉の間に水をためたり、根本の蒸散を防いで水分をキープします。
胞子葉: 鹿の角のように長く伸びる葉で、胞子を作って繁殖します。
多くの種類で、胞子葉の葉先に茶色い「胞子のう」ができ、胞子をばらまきます。
この胞子葉が鹿の角のような姿をしていることから、「麋角(びかく)」「羊歯(シダ)」と呼ばれるようになりました。
ビカクシダの魅力
理想の株姿に育てて楽しむ
ホームセンターや植物ショップに常時並んでいるような流通量の多いビカクシダは、環境変化に強く、育てやすいです。
胞子葉がぐんぐん大きくなり、貯水葉がきれいな円を描きながら成長していく姿を手軽に楽しむことができます。
またビカクシダは育てる環境により姿を大きく変えます。
肥料をがんがん与えて大きな葉を作ったり、根っこをしっかり育てたり、光の当て方を工夫することでがっしりとした株にすることもできます。
栽培している人が各々の理想の株を目指して、環境を工夫をしながら育てていくと、それに応えるように株姿を大きく変えるところが育てていて面白い植物です。
インテリアとして楽しむ
また他の植物にないユニークな姿がインテリアとしての価値を高く評価されています。
板付けにして壁にかけたり、鉢で育ててラックに飾ったり、苔玉にするなどアレンジのしやすさも人気の理由です。
胞子から増やして楽しむ
胞子を採取してまくことで増やすことができます。
うまくいけばたった1gの胞子から何十〜百株以上のたくさんのビカクシダを育てることも可能です。
大きくなるまでに1〜2年かかりますが、その苦労が大きく育ったときの感動と楽しさに変わり、それ自体を趣味にしている人もいます。
コレクションして楽しむ
ビカクシダには、大きく分けてワイルド種、栽培品種、ハイブリッド種があります。
ワイルド種は自生地で取れたもの。
栽培品種は業者が増やして流通させているもの。
ハイブリット種は胞子の交配でできたものです。
ワイルド種は流通している品種にくらべて、色合いや株姿に野生的な魅力があります。
ブリーダーが常日頃新種の創出に明け暮れており、品種数の特定が不可能なくらい今でもなお増え続けています。
栽培品種は流通の過程で健康で美しい個体が厳選されており、低価格で初心者の方でも育てやすく手軽に栽培を楽しめます。