いろんな種類のビカクシダ胞子を蒔いていると、一面びっしりと前葉体が出るものと、中々出てこずポツポツ生えてる状態のものが出てきたりします。
種類よって適した環境が違ったり、単純に胞子の質が悪くなっていた場合などがあると思いますが、
・ポツポツ状態で中々受精もしない。
・胞子体がいつまで経っても生えてこない。
って状態が長く続くと「もうダメなんかな?失敗かな?」ってさみしい気持ちになります。
ただちょっとは前葉体出てるし「諦めたくないなー」って気持ちから、ポツポツ点在していた前葉体を【密集させる】という実験をしてみました。
するとポツポツだったホワイトホークの前葉体から胞子体が出ましたのでやったことを記します。
前葉体を密集させる
こちらは胞子を蒔いて6ヶ月以上経過しているワリチーです。
前葉体がまばらにポツポツと生えています。
これでも受精して胞子体を出す可能性はありますが、経験上もっとびっしり生えている方が受精が早く、たくさん胞子体が出ます。
例えばこちらは「patra#1」の前葉体
前葉体はわっさわさです。胞子体もいくつか出てきています。
このぐらいわさわさなら簡単に受精します。(逆に密すぎるまである)
受精の可能性を高めるなら、
やっぱり多少は密集してた方が良いのでは?
じゃあ密集させてみたらどうか?
ということで先ほどのワリチーの前葉体をこんな感じで密集させます。
左が密集前 右が密集後
(スライドさせると比較が見れます)
少ない前葉体でも密集させることで受精を促せるかもという推測です。
実際これをやってみて1年ほど変化がなかったホワイトホークから胞子体が出ました。
もちろん「密集させたからうまくいった」という完全なる確証があるわけではないのですが、
・精子が泳ぐ距離をできるだけ縮めたほうが安全に卵にたどり着ける確率が上がるのではないか?
・精子が卵と出会う確率を上げることができるんじゃないか?
というのが今回の密集作戦の根本の考えです。
水をかけて受精を促す
前葉体を密集させたら最後に霧吹きを数プッシュして、受精を促しましょう。
シダ植物の多くは水を媒体として精子が卵と受精するので、土中に精子を落とす、卵まで泳いでいける環境を作ってあげるため適度な水分を補ってあげるイメージです。
苗床ごと換えてしまうのもおすすめ
前葉体が大きくならない、増えない場合は肥料が足りてない場合があります。
土の中の肥料がなくなると途中で前葉体の成長が止まります。
いつまで経っても大きくならない場合は「栄養を補ってあげる」か「栄養のある土に引っ越しする」のもひとつの方法です。
以前肥料が入ってないピートモスで育てていた時、成長が途中で止まりました。
しかしそこから前葉体を栄養入りのピートモスに引っ越して、土の全換えをすると前葉体がモリモリ大きくなったんですね。
前葉体の成長が止まったら肥料が足りているか?という視点で考えてみるのも改善の糸口になると思います。
肥料入りの土に植え替えるのと密集させるのを同時に行ったこともありましたが、効果がありましたので諦めきれない時にはお試しください。