我が家はベランダで野菜を自給自足しているのですが、この時期は気温や雨が原因でなる病気、虫による食害など本当にいろんな原因で野菜をダメにしてしまいます。
農薬を絶対に使わないというある種の縛りプレイで栽培しているので、毎年何かしらトラブルが起きています。笑
そして今年も来ました。
今年は「虫」です。
毎年ハダニに葉物をやられるのですが、今年は「シャクトリムシ」が大量発生してしまいました。
「そういえば水やりの時にやたらベージュ色の蛾が出てくるなー。」
なんて思ってたんですが、こいつを産み付けてやがったのか!!と今頃になって気づき時すでに遅し…。
バジルもパセリもボロボロに。
薬を撒ければ楽なのですが無農薬へのこだわりが無駄にあるで、それ以外の方法でこいつらをどうにか対処したい。
と思い、今回いろんな対策をあれこれしてみました。
今のところかなり減って、ほとんど見なくなったので、やってみた対策を今日はお話していきます。
種類がわからなかったので、とりあえず羽化させてみる
まず対策を取る前に、このシャクトリムシがどの蛾の幼虫なのか?
種類の特定をしたかったので虫かごに蛹をよけておきました。
※虫が苦手な方はここから閲覧注意です!
そしたら1日で羽化しててワロタ
こんなに早く羽化すんのかよ!!
ちょっと羽化不全っぽくて羽はあぼろぼろです。
このスピードで羽化してすぐまた僕の農園に卵を産み付けにくると考えたら震えた。笑
特定したいのに羽化不全のためよくわからず…。
後頭部が茶色ですがこれは羽化不全が原因かも。
ただ胴体は短く、背中がまるっとしているのと、幼虫の見た目からおそらく
・タマナギンウワバ
・イラクサウワバ
などウワバ系の蛾だとわかりました。
羽化した蛾の体と羽の形と色から「これマンションの階段によくいるやつだ!」ってなったので、おそらく合ってるでしょう。
調べてみるとバジルの被害には「ベニフキノメイガ」が多かったですが、幼虫に黒い斑点がなくて、羽化した子も全然似てないので、おそらくウワバ系でOKなはず。
多分ネットにもウワバ形の幼虫から野菜を守る方法ってあんまりないと思いますので、やった対策をまとめておきます。
シャクトリムシ(ウワバの幼虫)が湧いてる合図
まずシャクトリムシ(ウワバの幼虫)の生態や特徴について僕が見たまんまの事実を解説していきます。
まず犯人の顔からですが、こんな顔してます。
こいつを見かけたらすぐに110番してください。
(虫嫌いはちょっと閲覧注意!)
僕はまったく可愛いと思わないですが、まだ小さいので見つけてもなんとか悲鳴を上げずに済んでます。
で、こいつのやっかいなところは卵からかえって、ある程度大きくならないと気づきにくい。
ってところなんですね。
僕が最初に見つけた時は、
「あれ、昨日まで元気だったバジル、なんか虫食いにあってね??」
とごっそりとした食害の痕跡を発見した時でした。
尺取り虫はある程度の大きさになるとものすごい勢いで葉っぱを食います。
毎日大きくなり、食い続けます。
なので葉っぱの穴あきを見つけたら「なんかおるな」って疑った方がいいですね。
あと置き土産(糞)もある!!
葉っぱに黒いブツがびっしりついてたら絶対いる。
そしてさらにシャクトリムシがいる決定的な合図があります。
それがこの糸!!
シャクトリムシが蛹になる準備をする時に糸を吐きます。
葉っぱの中にこのようにくるまっています。
蛹を見つけた時はさすがにドキッしましたね。
で、1匹いると他の葉っぱにもいっぱいいます。
そしてやっかいなのが必ず葉っぱの裏にいるんですよね。
だからパッと見じゃ発見できない。
また厄介なことに虫が寄りにくいとされているハーブ類もむしゃむしゃ食うんですよね。
虫よけに植えてたハーブを虫に食われるという本末転倒を引き起こしてくるかなりやっかいな存在です。
糸を発見したらもう結構食われてる段階ですが、今回はその状態から対策していきました。
シャクトリムシ(ウワバの幼虫)の侵入を防いだり、減らしたりするための予防策
プランターにバリアネットを着用する
まずひとつのプランターにはバリアネットを張ったのですが、全く効果がありませんでした。
なぜならわかると思いますが、だってもうすでにいっぱい卵ついてんだもん…!
今からネット張ってもおせーよ!って感じで全く効果なしです。
いや、わかってたよ。
でも新たな蛾の侵入は防げるから、減るんじゃね?と思ったんですよ…。
でもすでに卵が大量についてたみたいで、今いるやつらだけで十分にバジルをすべて食いつくせるレベルだったのです。
ただこれは春先など蛾が付く前にやっておけば、実際効果があります!
タマナギンウワバもイラクサギンウワバも網をすり抜けられるほど体は小さくないので入ってこれないでしょう。
ただ僕のようにもう発見してしまってからは遅いですね。
だってもう卵ついてんだもの…!
あとネットは見た目ダサいから、やだ!(わがままキッズか)
↓ということで次の対策。
ニームオイルを水で薄めて散布
次にニームオイルを使用してみました。
これは薬を使ってない天然素材のオイルなので、自分的にはセーフです。笑
水で薄めて特に葉裏へ散布します。
シャクトリムシがころりするわけでなく、ニームオイルのついた葉っぱを食べると食欲が著しく下がるという仕組みです。
実際に使ってみたところ、食害は少しだけ抑えられました。
でもすぐにシャクトリムシの数が減ったりするわけではないので、毎日心配です。
だって普通にまだ葉の裏についてるもん!
あとニームオイルを散布した鉢から、となりの鉢にシャクトリムシの大移動がおこり、他の鉢にも散布しなきゃいけなくなったので、気分的には使っててすっきりしないアイテムです。笑
ただ早期に発見して「これ以上増えてほしくない!」って時には良いかと思います。
↓ということで、結局一番効果があったのはこれでした。
結局、地道に手でとっていくのが最強だった
結局これかよ!ってツッコミが飛んできそうですが、もうこの段階では手作業が一番だと感じました。
まず虫に食われた葉っぱは、悲しいけど全部落とします。
葉っぱの裏をみるとやつがついてます。
それから糸でぐるぐる巻きになってる葉っぱも落とします。
蛹になる準備をしているやつがいますので、こいつらを葉っぱごと取り除きます。
で、それをやってると悲しいことに、残るのはだいたい小さな若い芽だけになります。
でもいいんです。彼らは僕らの未来です。
そこからまた大事に育ててあげれば大丈夫です。
自分的には、思い切って葉っぱを落とすのはかなり大事だと感じました。
だって自分が親目線だったら
「幼虫が食うものが大量にある環境に卵を産みたい」ので、
葉が少なくなればそこに卵を産み付ける蛾も来なくなるのでは?と思ったから。
だから小さな未来のある葉だけを残して、
「ここに住み着いても全然飯ないよ?」
って状態にしておいたのです。
そしたら案の定いなくなりました。
で、最後にそのまま育てたら二の舞いになるので、今回は事前にネットで対策しておきました。
ウワバ系に限らず、蛾は種類によっては年に4回ほど産卵から成長のサイクルを繰り返すので、小さな蛾でも入れないようにプランターに対策しておきましょう。
対策から2週間後のバジルとイタリアンパセリの様子
一度すべての虫を取り除いてからの様子です。
虫食いがなくなり、元気な葉っぱが戻ってきました。
バジルが青々としてて、虫に食われる前よりもおいしそうになった!
パセリもまだちっさいですが、食べれるサイズにはなってきていい感じです。
食害にあったあとは枯れた株もたくさんありましたが、若い芽が生きてたので復活してくれました。
今のところ蛾が再来しているようすはないですが、ネットを張っておいたり、目視で卵がないか?をチェックしてあったら取っていくことで対策していきます。
地道ですが、家庭菜園のレベルならできるので自分は今後も農薬を使わずその分体を使って野菜を守っていくことにします。
いやー、農薬って好きじゃないのですが、農家さんの立場なら使わないと商売にならないということにも気づけましたね。
大規模な畑で虫がわいたら一気に広まるだろうし、損害もでかい。
ましてや手で取っていくなんて不可能だしね…。
農薬を使わずに対策した失敗・成功例の総括
「なんだよ、結局物理攻撃最強かよ!」
「対策とかいって葉っぱほぼなくなってて草」
って思うかもですが、この段階に来てたらもう仕方ないかなと思います。
「失ったものばかり考えるな!」とジンベエも言ってたので受け継がれる意志と共に未来へたくそうと思います。
なんか今回の対策ですが色々やってみた結果、
・我が発生する前にネットは貼る
・大きくなる前にニームオイル
・大きくなっちゃったら手作業で取り除き未来へ託す
って時期ごとに適切な対策をすることでかなりシャクトリムシを防げるんじゃないかと気づけました!
あまり意図してなかったけど、結果的に時期ごとの対策みたいになりましたね!
個人的には良い実験だったと思います。
できれば事前に防いで上げるのが一番です。
実はこれをやる1週間くらい前、まだ食害がほぼない時に1匹見つけてたんですよね…。
その時は「お、なんかお客さんがおるな。」程度だったのですが、その実態は強盗集団かってくらい凶悪でした。笑
その時に葉っぱ全体の掃除であったりオイル撒いたりしとけばもっと被害は少なかったんじゃないかと反省しております。
どっから混入するかわからないので、1匹みつけたら今後大量発生するぞと思ったほうがいいですね。
あとベランダレベルでこの食害なので、無農薬で有機栽培して販売してる人たちまじですげえよって思いましたね。
「有機野菜は高い!」って言う人いるけど、あの値段で売れるのってすごくね?
栽培やってみれば苦労がわかるはず。笑
ということでみなさんもシャクトリムシの被害に合わないようにお気をつけください!