自作メダカアクアポニックスの作り方とハイドロボールでの野菜の成長度レポート
こんにちは、あざらシダです。
先日うちのベランダでやってるアクアポニックスの動画をティックトックに上げたら気づいたら7万再生くらいされていました。
結構「作り方教えてほしい!」ってコメントもたくさんあったので、記事にまとめていこうと思います。
家ではメダカの飼育水を使いながら葉物野菜を育てていますので、メダカアクアポニックスの作り方になります。
ただ僕がアクアポニックスをやっている理由は単純にこの仕組みを作ったり、眺めること自体が楽しいというだけで、正直野菜を育てるなら土でいいし、水耕するなら屋内でやったほうが虫もつかないのでおすすめです。
それでもアクアポニックスやってみたい!って僕と同じ変わってる方向けに今回は、
・アクアポニックスでお魚と野菜が育つ仕組みの作り方
・各野菜の成長状況とおすすめの野菜
をお届けできたらと思います。
メダカアクアポニックスの基本概念
アクアポニックスとはなにか?
魚が汚した水で植物が成長し、植物に浄化された水で魚が元気に生きていくような「自然のサイクル」を小さな空間で作ったものになります。
我が家で言えば、
・メダカの飼育水を汲み上げて野菜を育てる。
・野菜が汚れを栄養として吸収し成長する。
というサイクルを作っています。
いろんなやり方がありますが、多いのは縦関係の2段のボックスを用意し、
・上が植物
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3529-1024x1024.png)
・下がお魚
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3530-1024x1024.png)
という棲み分けをします。
↓うちではこんな感じ。
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3534-1024x1024.png)
ポンプでメダカの水槽から水を吸い上げて、苗床に流しています。
野菜の苗床には無機質系の砂利を使ったり、我が家ではハイドロボールを使っています。
もちろん水だけの水耕栽培もできます。
実際にやってわかったアクアポニックスのメリット・デメリット
アクアポニックスのメリットは有機質の土を使わないので
・虫がつきにくい
・病気になりにくい
また魚が勝手に水を汚してくれるので、肥料を使う必要がなく基本放置での栽培が可能です。
実際に栽培してるイタリアンパセリですが、野外にもかかわらずアブラムシも蛾の幼虫もほぼついてません。
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3528-1024x1024.png)
一方土で育ててたパセリは蛾の幼虫が大量について、ハゲハゲの実の能力者かってくらい禿げました。
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3525-1024x1024.png)
デメリットは土に比べると成長のスピードや大きさに差があるということですね。
野菜をただ育てたいなら土でOKだと思いました。
ただ入れる魚選び、魚の量とかにこだわり、水中の栄養調整ができるようになると、そのあたりも解消できると思います。
という意味ではアクアポニックスでぐんぐん野菜を育てるのは初心者には結構難易度高いということですね。
実際に育てた野菜ではバジルやほうれん草、ルッコラなどは縦にぐんぐん伸びていき、葉っぱが大きくなる前にとっとと花を咲かせてしまいました。
摘心しても葉っぱはそこまで大きくなりませんでした。
一方でイタリアンパセリや、レタスなどはいい感じに伸びたので、野菜ごとの適正もあります。
水中の栄養調整にこだわるか、自分の苗床ではどんな野菜が育てやすいのか?を見極めて育てていくといいでしょう。
ちなみに育てるのは野菜でも果物でも観葉植物でもいいです。
魚も錦鯉、ハヤ、金魚、ティラピアでやってる方もいます。
たまに亀でやってる方もいますね。笑
うちはベランダスペースでやってるのでせいぜいメダカか金魚かなと思います。
また日本の魚を使うことで日本の冬が越せます。
ティラピアなど熱帯の魚を使う場合は室内でやったり、冬はヒーター必須です。
ただ見ているだけでも楽しいので、自分は土だけでなくアクアポニックスも楽しんでいます!
自作メダカアクアポニックスの材料と準備
まず準備するものですが、
・上下に容器を置ける台(60センチ水槽用の水槽台とかでもOKです。)
・とろ船や水槽などを2台
・汲み上げポンプ
・無機質の苗床(砂利やハイドロボール)
・ビニールホース
・ゼオライト(うちは使ってない)
これだけです。
我が家では、
苗床と水槽 トロ船
組み上げポンプ カミハタのリオ50
苗床 ハイドロボール
ホース 透明でないホース(苔が生えにくいため)
を使っています。
ゼオライトは水を軟水化するので、水質にこだわりたい方や、魚の種類によっては使ってください。
うちでは使ってませんが、水が綺麗になるので使うのはアリだと思います。
自作メダカアクアポニックスの組み立て手順
1,まず台の上下にトロ船を載せます。
設置場所を決めて上に苗床、下に水槽を設置します。
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3536.jpg)
2,上段のトロ船のサイドにホースが通る大きさの穴をあける
苗床かたの排水経路を作ります。
水を出したい方向からホースサイズの穴をあけます。
水を排出する用の穴なので、隙間はシリコンシーラントとかで塞いでおきます。
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3532-1024x1024.png)
あんまり低い位置に穴を開けすぎると、苗床の底ほんの1センチほどしか水が流れなくなるので、下から2〜3センチの位置に開けました。
ホースは苔対策で透明でないもの、厚くて丈夫なものを使いましょう。
3,メダカの水槽に水を入れる
水はだいたい7割程度まで入れてます。
野外の場合、雨が降るとオーバーフローする可能性があるので、8割まできたら水が抜けるような対策もしておきましょう。
横穴をあけて100均のメッシュシールで塞ぐなどは簡単にできます。
またはへりに綿をかけておいて、8割まできたら吸って排出してくれるようにしたりですね。綿は洗濯バサミで止めておくのもいいでしょう。
4,ポンプを設置して水を汲み上げてみる
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3540-1024x668.jpg)
ここが結構難しいポイントです。
↓ポンプが組み上げる水量と排出する水量がこうなってないといけません。
ポンプが組み上げる水量 <<< 排出する水量
ポンプが強すぎると水が苗床に溢れてしまいますからね!
もし排水が間に合わず、水が溢れてくるちyなら、排出用のホースを日本に増やすなどして対策しましょう。
5,苗床を作る
ハイドロボールを投入します
ゼオライトを使う方はこのタイミングで入れましょう
苗床はうちでは10センチほどの深さがあります。
6,2週間ほど水だけで仕組みを回す
野外でしかもポンプで曝気する形になるので塩素は1日もあれば抜けます。
ただバクテリアの繁殖のために2週間ほど見ておいた方がいいでしょう。
2週間まわしておくと苗床のハイドロボールにバクテリアが繁殖してくれます。
バクテリアがいる状態でメダカを入れないと、ぽつぽつとメダカが落ちていきますので、初心者の方は最低でも2週間は回しましょう。
もちろんアクアやってる方でしたら、このあたりは詳しいと思いますのでパイロットシュリンプ入れてみたり、PSB使ったりなどご自身のスタイルでやられてみてください。
私の場合1日回して塩素が抜けたら、水草を先に入れておいて、水草についてるバクテリアをろ材に移してたりしてます。気持ち立ち上がりが早い気がします。
7,育てたい植物の種を蒔いたり、植える
苗床に直接撒いちゃってOKです。
「まずはお試し」という気持ちで気にせず色々撒いちゃいましょう。
8,魚の状態を見ながら放置して様子見
魚を投入して1週間ほど魚が落ちなかったら、バクテリアはしっかり繁殖している証拠です。
あとは種から芽が出るまで放置です。
というか芽が出ても基本は放置です!
魚の餌は適切量をあげてくださいね。
メダカの増やし方
メダカアクアポニックスの良いところは「メダカも増える」ところなんですよね。
野菜だけでなくメダカも勝手に増えていきます。
追加で魚を買う必要がなくても毎年水槽内の魚の供給が安定します。
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/スクリーンショット-2023-08-01-15.17.25-975x1024.png)
もちろんたまごの採取とかしないとですが、簡単なので手短にご紹介しておきます。
うちで使っているのは、100均の産卵床と隔離ネットです。
産卵床にたまごがついたらそのまま隔離ネット内にいれます。
生まれたら上からメダカ稚魚用の小さな餌を毎日ちょこっとずつ与えるだけです。
また水を汲み取って小さな容器に放置しておくとグリーンウォーターができます。
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3545-1024x1024.png)
これに稚魚を入れておくと意味がわからんスピードで成長して、即戦力社員を量産できますよ。笑
大きくなったらメダカ水槽に戻して水を汚してもらいます。
これを繰り返すと来年もまた繁殖を期待できます。
ハイドロボールを使った野菜の成長度レポート
ここからは実際に育てた野菜とどのように成長したか?を一部まとめていきます。
レタス
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3542-694x1024.jpg)
市販のレタスの軸の部分から再生栽培しましたがぐんぐん伸びました。
ただ暑さに弱いのと、水分が少ないとしなしなになるので、水の入り口付近で育てるのがいいでしょう。
イタリアンパセリ
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3528-1024x1024.png)
我が家では最も成功しているハーブです。
イタリアンパセリ自体がとても強いハーブであるためか、アクアポニックスでもぐんぐん伸びて美味しいです。
土で育てたイタリアンパセリは虫にほぼ食われましたが、こっちは無傷でぴんぴんしてます。
バジル
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3546.jpg)
我が家では全然葉っぱが大きくならず伸び悩み中。
土で育てた方が明らかに大きくなったハーブです
水菜
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3547-1024x984.jpg)
水分が必要で感想に弱い印象。
うちのアクアポニックスではうまく成長しませんでした。
ルッコラ
![](https://plant-log.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_3535-1024x571.jpg)
バジルと同様に横に広がらず縦に伸びてしまい、葉が硬く、苦味が強いルッコラになってしまいました
ミニトマト
問題なく育ちました
常に水分を供給しているのでトマトが割れてしまうのでは?
という心配もありましたが、きれいなミニトマトができました。
しっかり甘みもありました。
とうがらし
撒いた時期が悪かったのか、あまり育たぬまま枯れてしまいました。
土で育てている方は順調に育っています
ほうれんそう
ルッコラと同様に固くなりました。
縦に伸びていく花を早々につけてしまい、うまく育ちませんでした。
これらはあくまで私のアクアポニックス環境での成果なので、必ずしもそうなると限りません。
苗床選びであったり、水質の調整によってはうまくいかなかった野菜もちゃんと育つと思います。
今後メダカの量を増やしたり、ハイドロボールを軟水化する素材に交換したり野菜がもっと育つ環境をつくっていこうと思っています。その際にはまた実験結果のレポートをします。
メダカアクアポニックスのメンテナンスと注意点
最後にメンテナンスについて。
基本的にはやることなし。
です!
サイクルができれば、水はきれいなまま保たれます。
ただ野外だと水がぐんぐん減っていくので定期的に足し水はしてあげましょう。
また水槽のそこにゴミがたまるので、それが嫌だという場合はプロホースとかで吸い上げてもいいですね。
餌は魚によってベストなもの、タイミングで上げましょう。
私は1日1回メダカ用のえさを上げていますが、メダカを大きくしたい場合は2回でもいいですね。
あとはひたすら観察です。
手がかからないのが本当にありがたいし、見ていて面白いので、興味ある方はぜひチャレンジしてみてください。
またホースに苔が生えてきたらパイプ掃除用のブラシで中を掃除してあげるといいでしょう。
ポンプにゴミが詰まって水の流れが悪くなるとろ過能力が減って環境が崩れてしまうので、定期的なメンテはしてあげてくださいね。
ということで今回はアクアポニックスの解説でした。
また今度もレポートしていきますので、質問などありましたらコメントください。
ではでは!