ビカクシダの胞子培養がうまくいくと蒔き床がびっしりと前葉体で埋め尽くされます。
霧吹きを吹きかけてあげることで受精を引き起こし、やがて胞子体が出てきます。
ただ↑ここまでびっしり密集状態のまま育てていくと、一つ一つの芽がなかなか大きくなりません。
そこで必要になってくるのがスペーシングという作業。
ビカクシダの胞子培養でスペーシングが必要な理由
お隣さん同士の距離を適度にあけてあげることで、根っこの生育スペースも確保されるので、根っこが広がりやすくなり一株ずつが十分な肥料を得ることができます。
お互いに土中の肥料を取り合うこともなくなります。
また他株の葉っぱにおおいかぶさられることもなくなるので、光を十分に吸収できます。
結果的に一株ずつの成長が早くなり、大きくなります。
スペーシングをした時、しなかった時での成長の違い
こちらは胞子培養中のウィリンキーですが、
左:スペーシングしてないウィリンキー
右:スペーシング済みのウィリンキー
同じタイミング、同じ環境で育てたウィリンキーですが葉っぱの大きさに明らかな差が出ます。
スペーシングのタイミング
スペーシングのタイミングは、
・前葉体がびっしり出揃った時
・複数の胞子体が出てきた時
・胞子体が無数に出てきた時
どのタイミングでもOKです。
私は胞子体が10〜20株出てきたタイミングで一回り大きな容器に移します。
スペーシングのやり方
まず一回り大きい容器を用意します。
土を敷き詰めて、胞子を蒔き始めた時と同じ環境を作ってあげます。
2センチ前後間隔を開けて、1センチ平方くらいにピンセットなどで分解して蒔き床に置いていきます。
私は接地面をしっかり作りたいので、あらかじめ少し浅めの穴を作り、軽く押し埋めるイメージでやっています。
ただあんまりグイッと押し込むと傷ついてしまうのであくまで優しく。
胞子体を移すときは一株ずつにバラして、パーソナルスペースを作ってあげましょう。
接地面が狭いと水分と肥料を十分に吸えなくなりそうで心配ですからね。
最後に薄めた液肥を霧吹きで軽く散布したら、ふたやラップで密閉して、今までと同じように光のもとで管理すればOKです。
1〜2ヶ月で葉っぱが大きくなり、生育の良いものは3枚目の胞子葉が出てきたり、貯水葉が出てきます。