【ビカクシダ胞子培養】湿度の違いによる葉っぱの色の変化を実験

A:高湿度の容器内で育てたコロナリウムの胞子葉

B:Aに比べて低湿度の容器内で育てたコロナリウムの胞子葉

胞子培養中のビカクシダ(コウモリラン)コロナリウム

同じ環境で育った胞子体を湿度の違う2種類の容器に分けて育てた。

葉の色にA黄緑、B深い緑といった違いが生まれた。

湿度の高い環境で育てた黄緑の葉は柔らかく、乾燥に弱い。

深い緑の葉は硬く、乾燥に強かった。

 

黄緑の葉の胞子体をケースからだし、特別に保湿せずに部屋の室温と湿度で育てるとB深い緑の葉の色に近づいていった。

Aは苗床の水が切れた瞬間にしゅんと枯れ込み、乾燥した環境への弱さを示した。

 

鉢上げや板付けをする際に葉の厚さ、固さは目安にできる。

乾燥に強い葉の状態で環境を移したほうがその後の生存率は向上しそう。

【このようになった理由の考察】

①葉緑素の増加

乾燥環境で、植物は水分をできるだけ失わないようにしようとした。

葉緑素を増加させ、少ない水分でより多くのエネルギーを作り出そうとした。

葉緑素が増えることで、葉の色が濃く見えるようになった。

  

②クチクラ層の厚みが増す

葉の表面を覆っているクチクラ層は、水分蒸散を防ぐ。

乾燥環境では、このクチクラ層が厚くなり、より強力に水分を閉じ込めるようになった。

クチクラ層が厚くなると、葉は硬くなる。

厳しい環境で生き残るために葉が変化し、乾燥に強くなった。

高湿度環境で育てたリドレイ

湿度100%に近い状態で育てていたリドレイの胞子培養株。

外に出すと30分ほどで胞子葉が垂れ下がった。

ビカクシダリドレイ

前葉体からこの大きさになるまで高温多湿のケースの中で栽培していたため、乾燥に非常に弱い葉になった。

1日後 ヘタってた葉が適応し、復活した。

リドレイの胞子葉

2日後 完全復活した

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