

リドレイは、シンガポール、タイ、インドネシアなど東南アジアの熱帯地域が原産のビカクシダです。
日本のビカクシダ市場でも人気が高く、樹祭など植物イベントに行くとビカクシダコーナーで高確率で目にします。
少し前までは「レア品種」扱いをされていたように感じますが、最近では胞子培養したリドレイがかなりたくさんフリマ・オークションアプリで出品されていて、割と簡単に手に入る品種になってきました。
また「ワイドリーフ」、「細葉タイプ」、「ドワーフ」など選抜品種も多く人気度の高さが伺えます。
胞子培養するともっさり前葉体・胞子体が出てくれて、増やしやすい印象です。
胞子から育てて、2年半経過したリドレイの姿

胞子から育てて、2年半でこのくらいのサイズになりました。
波打つ貯水葉がかっこよく、胞子葉も一番「スッタグホーン(鹿の角)」感があってかっこいい!
育てる前よりも大好きな品種になりました。
ここになるまでの記録を以下にまとめておきます。
ビカクシダ「リドレイ」の名前の由来は?

リドレイ(Ridleyi)の由来は、1880 年代に植物学、自然史、経済に多大な貢献をしたシンガポール植物園の初代園長、ヘンリー ニコラス リドリー卿にちなんで名付けられたそうです。
他の種とは違い、くるっと巻いて脈がくっきりとした貯水葉と、鹿の角に似た独特の直立した二股の胞子葉を生やします。
リドレイの前葉体・胞子体(1〜2ヶ月)

リドレイはウィリンキーやヴィーチーなどに比べて、前葉体がすぐ出ました。
胞子を撒くと1〜2ヶ月でわさわさしてきます。
水を与えることでもこもこした前葉体から、胞子葉がにょきっと出てきます。
この段階ではまだリドレイの面影はありません。
リドレイの胞子培養鉢上げ前(3〜6ヶ月)

だんだん貯水葉からリドレイの面影が出てきました。
(成長の良い株を先に選抜したあとに、スペーシングがめんどくさくて放置しているもの。)
小さい株でも頬って置くと貯水葉が半径4〜5cm広がるので、育ちの良い株は余裕のある大きさのポットに引っ越しした。ただ直径の成長が早くこれもすぐに移し替える羽目に。

何度も植え替えるのがめんどいので、最初から10cmくらいの大きめのポットに鉢上げしてあげた方がいいです。
リドレイの鉢上げ

9ヶ月〜1年くらいでこのくらいの大きさになりました。
貯水葉の直径が5〜10cmになった頃くらいに大きめのポットに移植。
湿度の高い環境で光をしっかりと当てているとぐんぐん大きくなっていく
このくらい(直径約12〜18cm)の大きさになれば板付けしても問題ありませんでした。
リドレイの板付け

上向きにツンと胞子葉が出てくると、リドレイらしさがだんだん出てくる。
貯水葉がしっかりと水苔にはりつくようにテグスで補助。
こちらはワイドリーフ。
胞子葉がのびのび広がっていく。

リドレイシン(細葉タイプ)も現在育成中なので、大きくなったら写真を更新できたらと思います。

かっこいいリドレイに(2年半くらい)

水苔をましましにして大きな株にしてみました。(めっちゃかっこいい!)
迫力あってすべての品種の中で一番鹿っぽいなと個人的には思います。
サイズはおそらく25×20くらいの板についてます。
成長も早くインテリアとしても目立つのでおすすめの品種です。
スプーンのような葉の中に胞子がつく(胞子採取のタイミングは?)
リドレイの葉はすべてが胞子をつける胞子葉ではありません。
枝分かれする葉の中にスプーンのような形状の葉が出ます。

この内側に胞子をつけて、乾燥し自然落下することで胞子を撒き散らして増えます。

この胞子を採取するタイミングなのですが、室内管理している方は特に注意が必要です。
なぜなら乾燥するとボトッ!と床に落ちて室内が胞子だらけになるからです。笑
ある日家に帰ると、コーヒーメーカーの上や、他のビカクの葉の上に胞子が散らかっていました。

上を見てみると、見事にスプーンからぼろっと胞子が落ちて散らばっていました。

もしスプーンに胞子がついて、茶色くなっていたらカットしちゃってOKです。
カットしたスプーンを1ヶ月くらい乾燥させておけば、撒くことでまたリドレイを増やせますよ。
リドレイを育てる時の注意点
・暑さと寒さに弱い、結構わがままな体質で合わない環境だと枯れ込みやすい(他のビカクに比べて繊細だと思っておいた方が良い)
・夏は明るくて涼しい場所、冬は明るくてあったかい場所に配置する
※レポートはあくまで我が家の環境での生育状況をまとめたものです。品種や個体、環境により成長の仕方はまちまちですので、ご了承ください。
ビカクシダ(コウモリラン)品種別・育成レポート
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