ビカクシダ子株の管理方法

最近はフリマサイトなどで安く出ている「子株」を購入する人も多いと思います。

ビカクシダホワイトホークの胞子体

ただ子株の状態って、大きな株に比べてデリケートだし、どう管理したらいいか?情報があまりないので、こちらに経験談まとめておきますね。

・フリマで胞子体を買ったけど、このあとどうすればいいかわからない

・小さな子株を購入したけど枯らさないか心配

・どうすれば早く大きくなり、成長が安定するか

など購入した株のタイプごとにお伝えできればと思います。

密集した胞子体を買ったらスペーシングしてあげる

密集した胞子体を購入した場合は、ワンランク大きめの容器に移し替えて、スペーシングしてあげましょう。

マダガスカリエンセの胞子体

密集していると、

・栄養を取り合って大きくなりにくい

・根が絡まり株分けがしにくくなる

・先に大きくなった株の影で他の株が育たない

といったデメリットがあります。

一回り大きめのタッパーやケースに新しい用土を入れてあげて、一株一株ピンセットでばらして、約3〜5cmごとに植えつけてあげると、それぞれの株がよく育つようになります。

葉が1〜2cm程度のポット入り子株を買ったら過保護に管理

子株は大きな株にくらべてデリケートなので、ちょっと過保護に管理するくらいがちょうど良いです。

ビカクシダの子株の画像

例えば、水苔の表面が少し乾いてきた!となればすぐに水を与えてあげる。

今日ちょっと暑いかも!ってときは涼しい部屋へ移動させる。

今夜は寒いかも!ってときは夜だけ発泡スチロールに入れてあげたり。

子株用にライトを新調して、光が十分にいきわたるようにしてあげる。

ストレスのかかりにくい室内で管理してあげるなど、「人の子のように」常に気にかけてあげると枯れたり、縮れたり、失敗する可能性が低くなります。

子株は乾燥するとすぐに萎れる

子株は空気の乾燥、水苔の乾燥にめっぽう弱いです。

密閉容器からいきなり外の世界に出すと一気にしおれていくことがあります。

枯れるよりも、萎れてだめになることの方が多いです。

ビカクシダの葉は環境によって状態が変わります。

密閉容器でずっと育てられてきた株は、外に出した途端葉がしぼんでいくことがあります。

もともと密閉管理されていなかった株はそのまま容器の外で管理して大丈夫です。

ただ密閉容器で「湿度ほぼ100%状態」で管理されていた小さな株は、引き続き密閉容器で育てて葉が3〜5cmほどになるまで触らないのもひとつの手です。

大きな葉をつけて、根が張ってくればよっぽど萎れることはありません。

外の湿度に慣れさせる方法

徐々に外の湿度になれさせていくとしおれにくいですよ。

蓋の隙間をすこしあけて管理して、少しずつ慣らしていくと、適応していきますよ。(植物ってすごい!)

完全密閉されたタッパーの場合

数日間(3〜7日ほど)このくらい開けておく

一気にでなく、少しずつ環境を変えるイメージです。

葉が大きくなるほど湿度差にも強くなっていきます。

しぼんでしまっても、新しく強い葉が成長点から出てくるので完全にダメになってしまうことはあまりないですが、葉がなくなると光合成効率は落ちるので、また大きな葉をつけるまでに時間がかかってしまいますからね。

真ん中の新葉が生きていれば新しく強い葉をつけます。

大きくなるまで鉢上げしない

ご自身で胞子培養をしている株の場合、容器が大きくスペースに余裕があるなら子株が十分に大きくなるまで触らなくても大丈夫です。

あまり小さいうちからあえて鉢上げするメリットはあんまりないと個人的には思っています。

光の与え方

窓際で日中カーテン越しの日光をしっかり与えてあげるだけでも育ちますが、植物育成用ライトがあれば10〜16時間ほど当ててあげると早く育ちます。

あまり至近距離で強い光を当てると逆効果なので、ライトごとに適度な距離で当ててあげましょう。

冬は日照時間が短いので、ライトで補光してあげる方が良いです。

ビカクシダ子株の水やりの仕方

水苔の表面が少し乾いてきたらすぐに水やりします。

2〜3cmの時は完全に乾いた状態を作ってしまうと一気にしおれていきます。

5センチくらいから多少の乾燥にも耐えますが、小さいほど乾燥に弱いので水を切らさないように注意しましょう。

ジョウロだと水が出すぎるので、スポイトを使うと便利です。

温度

温度は20〜28℃くらいが理想です。

夏は30℃超えると成長がにぶってくる印象。涼しい部屋で管理してあげてください。

冬は15℃を下回ると調子崩す株が出てきます。

特に夜間は寒いので、発泡スチロールに入れて管理するのがおすすめです。

湿度

湿度は梅雨や夏は高いので、特に問題なく育ちますが冬場は乾燥しがちです。

持っていれば加湿器をつけてあげるなどして、できるだけ湿度を保ってあげるといいでしょう。

肥料

ポットが小さい株は、「液肥」が与えやすいです。

置き肥だとポットに対して多すぎるので栄養過多になってしまうので、水やりで抜けていく液肥の方が良いでしょう。

ただまだ小さい段階で規定量を与えるのはちょっと濃すぎるのでは?と思いハイポネックスとリキダス(活力剤)を規定量のさらに2〜3倍に薄めて与えています。

コーナンeショップ 楽天市場店
¥657 (2025/05/23 15:34時点 | 楽天市場調べ)

頻度は2週間に一度程度。あまり多すぎると逆効果なので、毎回やらなくても大丈夫です。

また冬場は吸収できなくなるので、室温が20℃を下回ってからは肥料は与えないなど決めて管理してみてください。

鉢のサイズアップ

胞子葉が10cm程度になったら一回り大きなポットに水苔を足して移して上げましょう。根も出てきているはずですので、植え替えも失敗しにくいです。

真冬の植え替えは避けて、室温が15℃以上の時にやる方が安全です。

マダガスカリエンセ、リドレイ、コロナリウム、スパーバム、ワンダエ、グランデなど貯水葉から展開する品種は葉が飛び出す前に1〜2周り大きいポットに移してあげると綺麗に成長します。

どのくらいの大きさになれば板付けできる?

あくまで目安ですが、葉が10cm程度の大きさになれば根もしっかりしたものが生え始めてきますので、鉢上げ可能です。

5cm程度でもできないことはないのですが、まだ葉も弱くテグスを巻いてる時にうっかり葉が取れちゃったりするので、慣れていない場合はあまりおすすめしません。

マダガスカリエンセ、リドレイ、コロナリウム、スパーバム、ワンダエ、グランデなど貯水葉から展開する品種の場合は直径が10cmを超えたあたりでポットから飛び出しちゃうと思うので、板付けしちゃいましょう。

リドレイの貯水葉

その他よくいただくQ&A

密閉容器は必要ですか?

密閉容器で管理されていた株は、大きくなるまで引き続き密閉容器で。

容器外管理されていたものは、そのまま容器外管理で大丈夫です。

冬にヒートマットは必要ですか?

湿度が15℃を下回らなければ、追加でヒーター系のアイテムを使わなくても冬越しできることが多いです。

ヒートマットなどを常に引いておくと逆に熱くなりすぎることもあるので、暖房や発泡スチロールなどで寒さ対策する方が良いと思います。

水槽用ライトしか持っていません。育ちますか?

問題なく育ちます。おにぎりライト(アクロトライアングル)のような強いライトを近距離で当てると葉が黄色くなってくるのでご注意ください。

Follow me!

おすすめの記事